いまある社会関係を活かした開発を目指して

エチオピア南部の半乾燥地ボラナ県などで学んだことを、忘れてしまわないうちに…。No Day But Today / Carpe Diem

3. ドミニカ共和国の国営サトウキビ農場跡地で(2001年〜2003年) #La Luisa #Monte Plata #Dominican Republic

ドミニカ共和国の国営サトウキビ農場に、隣国ハイチから働きに来ていた人たちの住んでいる集落は、バテイと呼ばれていた。ラ・ルイサという村のバテイはバテイ・ラ・ルイサという具合だ。バテイ・ラ・ルイサには野球場があった。 野球場の横には日本の協力で…

2. ネパール東部で(2002年) #Biratonagar #Nepal

ネパールには2002年の夏に、ビラトナガールというインド国境沿いの標高70mしかない町に1ヶ月滞在しただけで、写真もほとんど残っていないのだが、この2枚の子どもたちの写真にはとても思い入れがある。特に2枚目の少女たちの写真は私にとって十年に一枚とい…

1. 北部ケニアの半乾燥地バリンゴ県で(1999年〜2001年) #Baringo #Kenya

1990年代中頃から参加型開発・社会開発というような分野に関心を持つようになり、もっと現場に近いところで仕事がしたいと思うようになった。最終的には、中小企業振興・職業訓練・公害対策などが中心の仕事から、思い切って農村開発に転向した。そしてその…

(18) RREPアプローチのモニタリング・評価について考える

何をモニタリング・評価するのか 「(16) ようやく気がついたこと」に書いたようなRREPアプローチをとる場合、一体どのような形のモニタリング・評価をすればよいのか? 古典的なプロジェクトの評価とどこを変えればよいのか? 実は2003-4年のマラウイ国「小…

(17) 大きなハロや牛の移動について引き続き話を聞く

Ella Areri(エラ・アレリ)について 4月5日(金)、ヤベロ郡のAreri村に話を聞きに行った。村の畜産開発事務所(PDO)にはちょうど近くの長老たちが集まっていた。そこでヤベロの町の近くにあって一番重要なエラ(伝統的な井戸)であるElla Areriの管理や修復…

(16) ようやく気がついたこと

週末の食事 3月30日(土)はテルテレ郡に聞き取りに出かけたので、お昼はテルテレの中心で定番のバイヤイナトゥ(ベジのインジェラ。エチオピア正教徒の多いアムハラ州では、毎週水金など肉断ちの日にだけこの料理を出す店も多いが、ボラナ県ではほとんどの店…

(15) さらに聞き取りを続ける

アレロ郡の村でのコミュニティ・ベースの活動 3月29日(金)はアレロ郡のGada村の話を聞いた。ただし川が増水していたため、Gada村のセンターには行くことができなかった。 Gada村に行く途中の道で Gada村のセンターの手前の川 Gada村のセンターの手前の川 「H…

(14) 開発活動について聞き取りを続ける

ディレ郡の村でのコミュニティ・ベースの活動 2012年3月21日(木)は第1年次では対象にならなかったディレ郡の村で話を聞いた。 話を聞いた村の長老 「我々の主食はシュモ(shumo)で、メイズとインゲンマメを塩茹でしたものだ。たまに小麦が手に入った時には…

(13) コミュニティの協働の様子をモニタリングする

再びボラナへ 2012年12月21日(金)の朝にヤベロを出て南部諸民族州の州都アワサに1泊した後アディス・アベバに向かい、12月23日(日)夕方の便で帰国の途についた。そして約3ヶ月後の3月15日(金)には夜の便で成田を立ってドバイ経由再びアディス・アベバ入りし…

(12) コミュニティが自前で実施する活動を支援していくアプローチ

「キックオフ」ワークショップ ボレナ県でコミュニティ・ベースのパイロット事業を開始するに当たって、2012年12月4日(火)から7日(金)までの4日間、「キックオフ」ワークショップを開催した。オロミア州の畜産委員会から1人、ボレナ県の畜産開発事務所から3…

(11) コミュニティでのパイロット事業実施に当たって考えたこと

水源・牧草地の開発について考えたこと 伝統的な水・牧草の管理システムでは、群れを分割して雨季のマザー・キャンプと乾季のサテライト・キャンプの間を往復すること、複数のサテライト・キャンプの中からその年、その時点での最善の選択をすること、干ばつ…

(10) 耕作の普及

家畜と穀物 県レベルの参加型分析ワークショップの結果((2)ボレナ県の概況と県レベルのワークシップのボレナ県の郡別の現況分析参照)を見ると、ボレナ県の13郡のうち高地の3郡(1. アバヤ、2. ガレナ、3. ブレ・オラ)では食糧の需給が5段階評価で3(平…

(9) 牛の移動パターン

2012年の7月、8月の村での聞き取りを通じて、12月から3月頃に掛けての大乾期、特に干ばつの厳しい年に、牛の移動して行く先が主に南部諸民族州のコンソ特別郡(ワレダ)であることがわかってきた。また遠くへ移動する際には基本的にグループを組んでいるらし…

(8) ヤベロ郡とアレロ郡の村での参加型ワークショップ

コミュニティ・レベルの参加型ワークショップ 2012年7月28日から10月8日に掛けて、5. マルカ・ソーダ郡、6. ヤベロ郡、7. アレロ郡、8. ダス郡の4郡16村で、コミュニティ・レベルの参加型ワークショップを実施した。ただし衝突が収まるまでヤベロ郡から出る…

(7) グジの人たちの住む村での聞き取り

マルカ・ソーダ郡の村に住んでいる人たち 7月26日(木)、27日(金)とグジの人たちの住むマルカ・ソーダ郡での聞き取り調査を行った。最初に伺ったのは、村の中心からは離れた森の中のようなところにある集落だった。 話を聞かせて頂いた人。3年前から住んでい…

(6) アレロ郡Hallona村とその代表的なオラ(自然集落)の概要

アレロ郡では10. Fuldowa村、14. Hallona村、15. Webi村、16. Gada村の4村がパイロット事業の対象と決まったため、7月19日(木)にまず14. Hallona村に出かけ、村の畜産開発事務所(PDO)でマネージャー(各村に1人ずつ派遣されている職員をPA Managerという)…

(5) 郡レベルの参加型ワークショップ

対象とする郡(ワレダ)の決定 5月1-2日に行われた県レベルのワークショップによる分析(「(2) ボレナ県の概況と県レベルの参加型ワークショップ」参照)を踏まえ、耕作が中心となっている高地の3郡(1. アバヤ郡、2. ガラナ郡、3. ブレ・オラ郡)の住民は本…

(4) 人々の生活を少しずつ理解する

普及員 5月14日(月)のダス郡ダス村での普及員からの聞き取りで、普及員(大半が20代)の生活についても少し知ることができた。 普及員の宿舎 「ダス村には3人の普及員がいて、3つあるゾーニをそれぞれ担当している。普及員のうち2人は正規の普及員、1人は普…

(3) 聞き取り調査を始める

2012年5月の聞き取り調査 県レベルの参加型ワークショップでの議論で、状況が特に厳しくかつ実施中・計画中の開発プロジェクトが少ないと分析された郡(ワレダ)から現地踏査を先行することとし、5月8日(火)にテルテレ郡、10日(木)にディロ郡、11日(金)と14…

(2) ボレナ県の概況と県レベルの参加型ワークショップ

ボレナ県の概況 初めての現場では、調査対象地域を車で縦横に走って、地域全体なイメージをつかむようにしている。県の畜産開発事務所の人たちがまず案内してくれたのはボレナの伝統的な中心地であるアレロ郡(郡の中心Mata Gafarsaはヤベロから東に約80km、…

(1) アディス・アベバからボレナ県(ヤベロ)へ

はじめに これは2012年から2015年にかけてエチオピアで実施された、JICA『農村地域における対応能力強化緊急開発計画策定プロジェクト(Rural Resilience Enhancement Project [RREP])』の活動の記録を、報告書、月報・週報・業務報告書およびメモなどから…